無承認薬と未承認薬

無承認(無許可)タダラフィルへの注意

無承認無許可タダラフィルの特徴

週末に飲んでおけば休日が終わるまで長く効果が続くことで「ウィークエンドピル」の呼び名も持つED治療薬がシアリスです。使い勝手の良さからED治療薬のなかではバイアグラと共に、そのジェネリック薬であるタダラフィルにも人気が集まっています。

その人気に目を付けた薬の個人輸入代行業者や販売業者は、シアリスの有効成分であるタダラフィルを一部含有させた薬を、インターネットや実店舗で「販売」「個人輸入代行」しています。この一部分が無承認無許可のタダラフィルです。そもそもシアリスやそのジェネリックであるタダラフィルは、医師の指導を必ず受けて「処方」される「医療用医薬品」であって、店舗で販売・購入されたりするものではありません。

怪しいいろいろなタダラフィル

無承認無許可医薬品は日本の薬機法(旧薬事法)に基づいた品質・有効性・安全性の確認がなされていません。検出された医薬品成分の量は錠剤によって均一ではなく、一度に摂取できない(場合によっては相当に危険な)量が含まれることもあります。また不衛生な環境で製造され、有害な不純物を含むことがあります。報告されている健康被害はこれらが主な原因です。

このように、無承認タダラフィルの使用は、予期できない副作用が現れることがあるため、興味本位での使用は全くすめられません。価格や手間、身体への被害の可能性を考慮しても、厚生労働省から承認を受けた正規品の処方を医師から受けること以上のメリットはありません。

無承認無許可とは厚労省

医薬品等に関する規制を定めた法律が薬機法(旧薬事法)です。健康食品や美容雑貨など医薬品等以外のものも対象になります。EDの改善など本来医薬品だけがもつ効能をうたっている、これら無承認無許可医薬品のタダラフィルは当然、薬機法の規制の対象となります。

自治体が行う「買い上げ調査」

これら無承認無許可薬からの健康被害を未然に防ぐために、自治体などでは定期的に買い上げ調査を行っています。輸入品のみならず、日本の発売元から販売されている製品もあります。次にあげるのは、無承認無許可のタダラフィルとして報告されたものの一例です。またタダラフィルに限らず、シルデナフィル、バルデナフィルなど他のED治療薬の医薬品成分が含まれるもの、複数の有効成分が含まれるもの(承認済み薬ではありえない)の報告も少なくありません。

無承認無許可タダラフィルリスト

無承認薬と未承認薬の相違点

一見すると同じように見えますが異なります。無承認無許可薬は、日本の薬事法(旧薬機法)を無視していわば勝手に作られたものです。未承認薬は日本の厚生労働省の承認は得られていないものの(または承認を待っている)、海外では該当する国の機関から承認を得ている薬です。

無承認薬と未承認薬ちがい

無承認無許可医薬品 未承認薬
法律基準 日本の法律に基づく承認なし 海外の法律でのみ承認
成分の均一性 含有量が必ずしも均一でなく、健康被害のおそれ 海外基準でのみ、成分の均一性は保証される
製造環境 不衛生な環境で製造。不純物等が含まれる可能性あり 海外での基準を満たした環境で製造
健康被害 不純物等が関与する健康被害のリスクが高い 健康被害のリスクは低い。日本での適応外使用によるリスクがある場合もある。
承認の有無 日本国内では全く承認されていない 海外でのみ承認されている
使用用途 違法に流通している場合が多く、適切な使用が保証されていない。 海外で認められている使い方(適応症)が、日本では認められていない場合がある。

 未承認薬タダラフィル「個人輸入」のリスク

未承認薬を輸入することの本来の意義

未承認薬を輸入して使用することの本来の意義は、原則として治療上の緊急性があるとき、その目的を果たすことのできる薬品が日本国内にない場合(例:日本にはまだない先進的な癌治療など)、医師が必要に応じて輸入を行うことです。この際、その輸入内容が合理的なもの(転売などが目的でない)かどうかが確認できたときに薬監証明が交付され、やっと輸入が可能になります。

また、正式な手続きを経て輸入された未承認薬は、日本国内で正式に対象となっている治療以外の効用を期待して使われることがあります。これを適応外処方といいます。また、既に承認済みの医薬品を、承認されている効能以外の目的で医師が処方することも指します。

未承認薬の輸入代行業者

このように薬監証明がなければ、医師は薬を輸入することはできないわけですが、例外があります。個人の使用、臨床試験や展示会の材料としての輸入などであれば、薬監証明なしに行うことが出来るのです。(ただし、こうして入手した薬は他人に販売・譲渡などを行うと薬機法に違反したとして処罰を受ける場合があります)。

この状況に目をつけたのがインターネット上に溢れる薬の個人輸入代行業者です。輸入を行うには言葉の問題、税関の手続きなど煩雑な手続きが必要です。これを代行しますよ、というのが輸入代行業者です。ただし請け負うのは文字通り、輸入を「代行」するだけです。もし何かトラブルがあってもその責任を一切負いません。(と「小さく」書かれています)。

次のようなことが起こっても全て自己責任です
薬個人輸入の危険性
・どこの国でも承認を受けていない「無承認無許可薬」だった。
・海外では承認を受けているかどうか確認のしようがない。
・錠剤内の多すぎる成分や、不確定の成分で健康被害を被った。
・代行業者の責任範囲外のトラブルが原因で品物が届かなかった。
・税関でのトラブルが指摘され品物が没収された。
・取引中にカード番号など個人情報が流出し、悪用された。など

このように、個人輸入された未承認タダラフィル(あるいは無承認薬の可能性も)の使用は、予期できない副作用が現れることがあるため、興味本位で使うことは避けるべきです。いわれるほど価格や意外にかかる手間、身体への被害の可能性を天秤にかけても、厚生労働省から承認を受けた正規品の処方を医師から受けることに越したことはありません。海外から怪しげな薬が届くといったスリルが味わえる以外にメリットはありません。

タダラフィルほかED治療薬のオンライン処方

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